拍手お礼その11
【ホイッスル!】 ―若菜と藤代―
「あー」
「どしたの若菜」
「あー……」
「おーい? ケータイ見つめてなにやってんの!」
「へっ!? ……ああ、藤代かー」
「……ホントにどした? 若菜がそんなぐでーんってなってんの初めて見る」
「そりゃ、普段は元気だからねー」
「……」
「つか藤代、このままここに居ると、俺の話聞く羽目になっちゃうぜ?」
「えー。……うーん、ホントは嫌だけど聞く」
「なんだそれ」
「だって若菜から「聞いてくれ」光線が出てんだもん……」
「……藤代ってさぁ、妙なところで空気読めるよな」
「ん? ちょっと待ってソレ褒めてなくない?」
「お、解りますか」
「もー、そんなこと言ってたら聞いたげないからね!」
「うわ、ごめん藤代さま勘弁してー」
「んもう、何があったの!」
「サンキュー藤代訊いてくれて! それがですね、……彼女さんにフラれちゃいまして」
「あちゃー。え、でもそれなら若菜今まで何回かやってない?」
「……えーえーやってますが何か?」
「うわ、薮蛇ってコレですかキャプテン!」
「渋沢は今居ねぇっつの……まぁいいや、うん。そうなんだけど、今回のはとびきりキ
ツかったんですー」
「……何が」
「最後が「私とサッカーどっちが大事なの!?」みたいな、ね」
「う、うーわー」
「今までにもそんなカンジで終わったコは居たんだけど、……あんなハッキリ言われた
のは初めてかなー」
「……選ぶもんじゃないじゃん」
「うん。だけど、普通の奴ならデートする休みの日も、俺は練習だから」
「だけど、」
「んで、ちょっと落ちてただけー。ありがと藤代、浮上できそう」
「若菜、」
「ん?」
「だけどつまんないよ、サッカーしてない若菜なんか」
「……」
「そのコも、最初はサッカーしてる若菜が好きだったんむぐっ!?」
「……やっぱ空気読めてねぇなぁ」
「は?」
「あんね、そーいうことは俺が一番よく知ってんの。……彼氏だったんだぞ」
「……そっか」
「うん」
※彼らが本当に理解ある人と付き合えるといいなぁ、と思っています。それが男であれ
女であれ!(だめだこいつはやくなんとかしないと)
08'11/21 up